「何年生まれですか?」と尋ねられると、多くの人は自分の干支を答えるでしょう。
しかし、他の干支について詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。中には、自分の干支すらはっきり覚えていない人もいるようです。
十二支には特定の順番があり、その順番を理解することで、名前や順番を覚えやすくなります。
この記事では、覚えにくい十二支の順番や読み方、そして効率的に覚えるためのコツをご紹介します。
- 十二支の動物たちとその順序の由来
- なぜこれらの動物が選ばれたのか?
- 十二支の動物たちにまつわる伝説
- 十二支を効率よく覚えるためのコツ
- まとめ
十二支の動物たちとその順番の由来
十二支とは、特定の順序で並べられた12の動物を指します。
1. ネズミ(子 ね)
2. 牛(丑 うし)
3. 虎(寅 とら)
4. ウサギ(卯 う)
5. ドラゴン(辰 たつ)
6. ヘビ(巳 み)
7. ウマ(午 うま)
8. ヒツジ(未 ひつじ)
9. サル(申 さる)
10. トリ(酉 とり)
11. イヌ(戌 いぬ)
12. イノシシ(亥 い)
なぜこれらの動物が選ばれたのか?
十二支の起源は古代中国の殷王朝時代に遡り、もともとは地域や日付、時間を示すために使われていました。
現在でも、「辰年生まれ」や「寅年生まれ」という言い方で、干支が使われることがあります。
また、「午前・正午・午後」という言葉も、昔の「午の刻」に由来しています。
それぞれの時間や方位を示す名前が覚えにくかったため、覚えやすくするために動物が当てはめられたと考えられます。
そのため、選ばれた動物自体には特別な意味はないのです。
十二支の動物たちにまつわる伝説
これらの動物には特別な意味があるわけではありませんが、十二支の順番が決まった背景には興味深い伝説があります。
昔、神様が動物たちに「新年の挨拶に最初に来た12匹を、その年の守護動物にする」と告げました。
動物たちは、新年が来ると競って神様のもとへ挨拶に行きました。
その結果、ネズミが一番先に到着し、イノシシが最後に到着したことで、十二支の順番が決まったのです。
ネズミが最初になったのは、ウシの背中に乗ってゴール直前で飛び出し、一番になったからです。
さらに、ネズミは「新年はいつ?」と尋ねた猫に対し、「1月2日だ」と嘘をつきました。
そのため、猫は挨拶に遅れてしまい、十二支に含まれなかったのです。
このことから、今でも猫はネズミを追いかけ続けているという話が伝えられています。
十二支を効率よく覚えるためのコツ
- 繰り返しの練習(リズムで覚える)
- 「たつみ」さんや「いぬい」さんの名前を使った記憶術
- 干支を物語にして覚える方法
- 視覚的に覚える
- 干支クイズ
- 「午と未」に注意
- 漢字の意味を掴んでおく
繰り返しの練習(リズムで覚える)
十二支を覚えるためには、何度も繰り返して記憶に定着させることが大切です。
「ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い」と、順番に声に出して唱えることで、自然と覚えやすくなります。
声に出すことで、耳からの情報も加わり、記憶がさらに強化されます。お風呂に入っている時など、日常のちょっとした時間を使って口ずさむのも効果的です。
リズムを取って、「ネ・ウシ・トラ・ウ….」とリズミカルに声に出すと、覚えやすくなります。
また、子どもと一緒に練習すると、楽しみながら覚えることができます。繰り返し行うことで、次第に頭にしっかりと定着していくでしょう。
昔、シンプルなメロディーに合わせて覚えた経験があるかもしれませんが、同じものが見つからなくても心配は無用です。
インターネットでいくつかの歌を探し、気に入ったものがあれば、それを使って覚えると楽になるでしょう。
「たつみ」さんや「いぬい」さんの名前を使った記憶術
覚えるためのちょっとしたコツとして、ネズミから始めると覚えやすくなります。
順番に進めていくことで、他の十二支も自然に思い出せるようになるでしょう。
特に、「辰・巳(たつみ)」と「戌・亥(いぬい)」はセットで覚えるのが効果的です。
これを「たつみ」さんや「いぬい」さんといった名前に結びつけることで、より記憶に残りやすくなります。
名字の漢字が実際とは異なっていても、覚えやすさを優先して考えてみてください。
干支を物語にして覚える方法
干支を物語にして覚える方法は、動物たちが登場するストーリーを作り、その順番で干支を覚えるという、とても効果的な記憶法です。この方法は、物語やイメージを使うことで、単に言葉や順番を暗記するのではなく、自然に流れとして覚えることができます。
物語:十二支のレース
むかしむかし、神様が動物たちに、「誰が一番に私の元へたどり着けるか、レースをしよう!」と言いました。このレースには、さまざまな動物たちが参加しました。誰が勝つのでしょうか?
- 1. 子(ねずみ)
ずる賢いねずみは、素早くスタートラインに立ちました。しかし、自分だけでは勝てないと思い、優しい牛に頼んで背中に乗せてもらいました。 - 2. 丑(うし)
牛はゆっくりと歩く動物ですが、誠実で粘り強く進んでいきます。誰にも負けないように頑張っていましたが、ゴール直前でねずみが牛の背中から飛び降り、一番にゴールしました。 - 3. 寅(とら)
虎は強くて勇敢な動物で、牛に負けまいと全力で走っていました。虎は素早いので、牛に追いつき、3番目にゴールしました。 - 4. 卯(うさぎ)
うさぎは跳ねながら速く進みますが、途中で楽しそうに川を見つけ、飛び越えることに夢中になっていました。それでも器用にゴールにたどり着き、4番目。 - 5. 辰(たつ)
龍は空を飛べる神秘的な存在です。速さなら誰にも負けないと思っていましたが、他の動物を手助けするために遅れてしまいました。それでも5番目にゴール。 - 6. 巳(へび)
静かにスルスルと進んでいた蛇は、気づかれないようにこっそり進み、6番目に到着しました。 - 7. 午(うま)
元気いっぱいに走っていた馬は、勝つつもりでしたが、足元に蛇がいることに気づき、驚いて足を止めてしまいました。それでも7番目にゴール。 - 8. 未(ひつじ)
羊は他の動物たちと協力しながら進んでいました。みんなと一緒にゴールを目指し、8番目にたどり着きました。 - 9. 申(さる)
猿は賢く、木から木へ飛び移りながら、器用にゴールへ向かいました。友達の羊と協力し合い、9番目にゴールしました。 - 10. 酉(とり)
空を飛ぶ鶏は、一見速く行けると思っていましたが、地上に降りてゆっくり歩いたため、10番目に到着しました。 - 11. 戌(いぬ)
犬は友達の鶏とふざけ合いながら進んでいたので、少し遅れて11番目に到着しました。 - 12. 亥(いのしし)
猪は一番速いと自信満々で突進しましたが、途中で少し休憩してしまい、12番目にゴールしました。
この物語のポイント
- 各動物の特徴を生かして、行動や性格をイメージ化しているので、順番が頭に残りやすくなります。
- ねずみの賢さや牛の粘り強さ、虎の勇敢さなど、キャラクターに基づいた物語が展開されているため、干支の順番を物語の流れとして覚えることができます。
- 物語を思い出すことで、干支の順番を自然に思い出せるようになります。
物語を作るコツ
物語を作る際には、次のポイントに注意すると覚えやすくなります。
- 動物の性格や特徴を反映:動物たちの性格や行動をストーリーに反映させることで、記憶に残りやすくなります。
- ストーリーの流れをスムーズにする:順番に物語が進むように、各動物の行動に一貫性を持たせます。
- 楽しいエピソードを加える:ストーリーをユーモアや面白いエピソードで彩ると、さらに記憶に残りやすくなります。
このような物語を用いた記憶法は、子供から大人まで、誰にでも適用できる楽しい方法です。
視覚的に覚える
図やイラストを活用して干支を覚えるのもおすすめです。
例えば、12匹の干支の動物を円形に並べた図を作り、順番に目で追っていくと視覚的な記憶が残ります。干支のイラストを自分で描いてみたり、動物ごとに色を変えて覚えるのも楽しい方法です。
干支クイズ
干支を覚えられたか確かめたり、覚えやすくするために、干支でクイズを作ってみるのも楽しくできます。
以下は「干支クイズ」としていくつかの例です。クイズ形式で干支の順番や特徴を楽しく学べる内容です。このようなクイズを作ってみても面白いですね。
- 子(ねずみ)の次に来る干支は何でしょうか?
- a) 卯(うさぎ)
- b) 丑(うし)
- c) 寅(とら)
- 寅(とら)の次に来る干支は何でしょうか?
- a) 卯(うさぎ)
- b) 午(うま)
- c) 巳(へび)
- 十二支の中で、唯一空を飛べる動物は何でしょうか?
- a) 酉(とり)
- b) 午(うま)
- c) 辰(たつ)
- 午(うま)の前に来る干支は何でしょうか?
- a) 巳(へび)
- b) 羊(ひつじ)
- c) 戌(いぬ)
- 次の中で、十二支に含まれていない動物はどれでしょうか?
- a) 猫
- b) 猪(いのしし)
- c) 猿(さる)
これらのクイズは、干支を学びながら楽しむことができ、記事の定着を高める効果も期待できます。
「午と未」に注意
「午」と「未」の順番で迷う人も少なくありません。これは、「うま」と「ひつじ」の漢字が直接関連づけにくいためです。
また、午の字が牛に似ていることも混乱の原因の一つです。
ここでは少し無理やりかもしれませんが、「たつみ」さんが「うま」と「ひつじ」を飼っているというイメージで覚えるとよいでしょう。
「たつ・み・うま・ひつじ」という流れで記憶に定着させましょう。
十二支の漢字の意味をつかんでおく
「ね、うし、とら・・・・」の音に対して、漢字の当て方について疑問に思った時には、漢字の意味を知っておくと、覚えることに集中しやすくなりますので、疑問を解消しておきましょう。
十二支の漢字には、それぞれ元々の意味があり、その意味とは別に動物が割り当てられています。以下に、各漢字の元々の意味と、どのように動物に関連付けられたかを簡単に説明します。
ただし覚える必要は特になく、覚える時に利用したり疑問が解消されれば十分でしょう。
それでは、紹介していきます。
- 子(ね)
元々は「植物の種が芽を出し始める時期」を表します。十二支ではネズミに関連付けられていますが、明確な理由は不明です。おそらく繁殖力が強いネズミが、この時期の象徴とされたのかもしれません。 - 丑(うし)
元々は「紐が絡まって解けにくい様子」を表します。十二支では牛に対応しています。牛は農作業に重要な動物であり、辛抱強い性格がこの時期に相応しいと考えられた可能性があります。 - 寅(とら)
元々は「春の到来を表す勢い」を意味します。勢いのある虎がこの時期に対応すると考えられました。 - 卯(う)
元々は「草木が勢いよく成長する時期」を意味します。跳躍力のあるウサギがこの成長の象徴とされました。 - 辰(たつ)
元々は「地面から草木が伸び出る様子」を表します。辰は伝説上の生き物であるドラゴン(龍)に対応します。龍は強力で神秘的な存在であり、この成長の時期に相応しいとされました。 - 巳(み)
元々は「木の枝が盛んに伸びる様子」を表します。蛇(ヘビ)は脱皮を繰り返す生き物であり、再生や成長を象徴すると考えられました。 - 午(うま)
元々は「太陽が真南に来る時刻」を意味します。馬(ウマ)は速さと力の象徴であり、午(正午)という時間帯に対応する動物とされました。 - 未(ひつじ)
元々は「果実が成熟する時期」を意味します。羊(ヒツジ)は群れを成す穏やかな動物で、この穏やかな時期に相応しいと考えられました。 - 申(さる)
元々は「伸びる、進展する」という意味があります。サルは機敏で知恵がある動物として、この時期の成長と関連付けられました。 - 酉(とり)
元々は「酒を醸す時期」を表します。鶏(トリ)は毎朝鳴いて新しい一日を知らせるため、この時期の象徴とされました。 - 戌(いぬ)
元々は「農作物の収穫を終える時期」を意味します。犬(イヌ)は忠実で守りの象徴として、この時期に相応しいと考えられました。 - 亥(い)
元々は「種子の中に生命が宿る時期」を表します。イノシシは力強く、勇敢な動物で、この冬の時期の象徴とされました。
各漢字には古代中国の暦や季節の変化に関連した深い意味があり、それが動物と結びつけられることで十二支が形成されました。
まとめ
干支に親しむことで、日常生活の中で干支をより身近に感じられるようになります。
例えば、「午前・正午・午後」といった言葉は、昔の「午の刻」に由来しています。
また、「鬼門」の「艮(うしとら)」が「丑」と「寅」の方角を指すことを知ると、干支に関する知識が役立つ場面もあるでしょう。
干支にまつわる知識や文化は非常に幅広く、一度にすべてを学ぶのは難しいかもしれませんが、年賀状や生まれ年だけでなく、もっと身近に感じてみると新たな発見があるかもしれません。